今回は「医療保険は必要?不要?自分に必要か判断できる10分ガイド」というテーマで、医療保険を“入るべきかどうか”自分で判断できるように整理していきます。
「医療保険って結局いるの?いらないの?」という疑問を、10分でスッキリさせる内容になっています。
皆さん、こんなお悩みありませんか?「医療保険、毎月5,000円〜10,000円払うのって本当に意味あるの?」とか、「入院したら自己負担って、10万円なの?30万円なの?結局いくら?」みたいな不安。
さらに「医療保険はいらないって聞いたけど、もし大病したらどうするの?」と、答えが出ないままモヤモヤしていませんか。
このまま放っておくと、医療保険を“なんとなく”で選んで、10年で60万円以上の保険料を払い続けることもあります。逆に医療保険を外した結果、差額ベッド代や食事代などで、入院30日で30万円くらい追加でかかるケースも普通にあります。
さらに働けない期間が重なると、家計が一気に赤字になって、貯金が数か月で減っていく…という最悪の展開もあり得ます。
でもご安心ください。今回は「医療保険は必要?不要?自分に必要か判断できる10分ガイド」というテーマで、医療保険がいらないと言われる理由をきちんと確認したうえで、あなたが医療保険に入るべきかどうかを判断できる形にまとめます。
「結局、自分は医療保険が必要なの?」「貯金がいくらあれば医療保険はいらないの?」といった、判断の軸が欲しい方は、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも医療保険とは
まず押さえるポイントからいきます。医療保険は「公的医療保険が土台」で、足りない部分を「民間の医療保険」で上乗せする発想です。
そして医療保険の中身はシンプルで、中心は「入院給付金」「手術給付金」、必要に応じて「特約(オプション)」を追加する仕組みになっています。
日本の公的医療保険は「国民全員が加入することを前提に、みんなで支え合う仕組み」だと整理されています。この土台があるから、医療保険を考えるときは「公的医療保険で自分がどこまでカバーされるか」を先に見るのが合理的です。
たとえば現役世代の人が病気で入院して治療を受けた場合、公的医療保険があるので窓口負担は原則3割です。(厚生労働省)
一方で、入院中に発生しやすい「差額ベッド代」「食事代」「家族の交通費」などは、自己負担となります。つまり医療保険は「公的医療保険の不足分を埋める道具」として設計するのが筋が良い、ということです。
次に、民間の医療保険の基本的な仕組みです。
医療保険の中心は「入院給付金」と「手術給付金」。入院給付金は“入院した日数に応じて定額が出る(例:1日5,000円など)”タイプが多く、手術給付金は“所定の手術を受けたら定額が出る”という考え方です。
ここで大事なのは、医療保険は「治療費をそのまま払ってくれる」よりも、「現金がもらえて家計に回せる」設計が多い点です。ですので医療保険は、治療費そのものだけでなく、交通費や差額ベッド代など“家計から出ていくお金”にも当てやすい。これが医療保険が支持される理由のひとつです。
実際、医療保険(正確には「疾病入院給付金が支払われる生命保険」)に加入している人は、調査でおよそ3人に2人というデータが出ています。たとえば生命保険文化センターの調査では、疾病入院給付金が支払われる生命保険の加入率が**2022年度で65.7%と示されています。(公益財団法人 生命保険文化センター)
ここから言えるのは、公的医療保険があっても、医療保険で上乗せしている人が現実に多いという事実です。
次に「特約」です。特約は医療保険のオプションで、先進医療や通院、女性疾病、就業不能(働けない)など、目的に合わせて付け足すイメージです。
ただし医療保険は、特約を盛るほど保険料が上がりやすいので、医療保険を組むときは「主契約(基本の医療保険)」で何をカバーし、「特約」で何を追加するかを分けて考えるのがコツです。
最後に、定期型と終身型の違いです。
医療保険の主契約には「定期型」と「終身型」があり、定期型は一定期間(10年など)で区切られ、終身型は解約しない限り一生涯の保障が続く、という仕組みになっています。保険料の払い方もポイントで、終身型は「一定期間で払い終える有期払」と「一生払い続ける終身払」があります。
定期は“保険料を抑えて一定期間の保障を厚くしやすい”、終身は“一生涯の保障を続けられるが保険料設計は重くなりやすい”、という性格の違いがあります。つまり医療保険を選ぶポイントは、「医療保険をいつまで必要と考えるか」「医療保険の保険料をいつまで払えるか」に尽きます。
あらためて要点を言います。医療保険は、公的医療保険の上に“足りない分だけ足す”ものです。
次のパートで「医療保険はいらないと言われる理由」を検証します。医療保険の話は、ここから一気に分かりやすくなります。
「医療保険はいらない」と言われる理由を検証
ここからは、「医療保険はいらない」と言われる理由を、4つに分けて検証します。
先に大枠を言うと、公的な制度が強いので、状況によっては医療保険が不要になる人がいる。
ただし、“全員に不要”ではない──これが結論です。
理由1)「公的保険+高額療養費制度があるから、医療保険はいらない?」
まず、不要論のいちばん強い根拠はここです。日本は公的医療保険が前提になっていて、医療費の負担が一定以上に膨らみにくい仕組みがあります。
具体的には、医療機関の窓口で払う自己負担は、年齢や所得でだいたい1〜3割に整理されています。
たとえば、70歳未満は原則3割、70〜74歳は原則2割(現役並み所得者は3割)、75歳以上は原則1割(所得により2割・3割)となっています。
そしてもうひとつが「高額療養費制度」。これは、同じ月(1日〜月末)に払った自己負担が上限を超えたら、超えた分が後で戻る制度です。※「高額療養費制度」=医療費の自己負担に“上限”をつける仕組み、と思ってOKです。
ただ、ここで“落とし穴”があります。高額療養費の対象は、基本的に保険診療の自己負担で、入院時の食事代や差額ベッド代(個室代など)は含まれません。つまり、医療費そのものは上限で止まっても、「周辺費用」は別で残るんです。
この時点で言えるのは、“医療費”は抑えられやすいが、“対象外費用”は別ということ。
このズレを理解していないと、不要論をうのみにして事故ります。
理由2)「高齢で医療保険に入ると保険料が高い」
次に多いのがこれ。保険料はざっくり言うと、起こりやすさ(リスク)に合わせて決まるからです。
生命保険業界の説明でも、年齢別・男女別の統計(生命表)をもとに、負担が公平になるよう保険料を算出する、という考え方が示されています。医療保険も方向性は同じで、年齢が上がるほど病気や入院の確率が上がるなら、同じ保障でも保険料が上がりやすい、という話になります。
重要なのはここからで、年齢が上がるほど「持病の告知(健康状態の申告)」に引っかかりやすくなります。
すると、
・そもそも加入できない
・特定の病気は対象外になる条件がつく
・選べる商品が限られて割高になりやすい
こういうことが起きがちです。
だから「高齢になってから入ろうとすると高い。なら入らない方が合理的では?」という不要論が出ます。
ここまでの話は、気合いの問題ではなく仕組みの問題です。
理由3)「医療保険は、条件次第で給付金が出ないことがある」
3つ目は、“入っても出ない”系の不安ですね。これも、仕組みを知ると腹落ちします。
医療保険は「何かあったら必ず払う」ではなく、約款(ルール)に当てはまったら払う商品です。
国のルール側の話をすると、金融庁の監督指針では、保険会社や募集人が「契約概要」「注意喚起情報」を適切に交付・提供できる体制整備が求められています。要するに、注意点が多いから、重要事項として読ませる仕組みになっているということです。
具体的には、たとえばこんなズレが起きます。
・入院の定義が「日帰りは対象外」だった
・手術給付の対象が「所定の手術」に限られていた
・既往症(過去の病気)関連は一定期間対象外だった
・請求に必要な書類が足りず手続きが止まった
こうしたズレがあると、「入ってるのに出ないじゃん…」となりやすい。
なので、ここでのポイントはシンプルです。
医療保険を不要と感じる人は、“条件を確認するのが面倒・不安”という感情もセットになっている。
逆に言えば、条件を先に潰せる人にとっては、医療保険は“使える道具”になります。
理由4)「貯蓄でカバーできるなら、医療保険はいらない?」(必要貯蓄の考え方)
最後は、いちばん現実的な話です。
医療保険は毎月の固定費になります。だから「払うより貯めた方がいい」という考え方は、合理性があります。
ただ、“貯蓄でカバー”が現実的かどうかは、データで見ると人によって差が大きいです。
たとえばJ-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査2025年(単身世帯)」では、金融資産保有額の中央値が130万円と示されています。中央値は「真ん中の世帯」の数字なので、平均より実感に近い目安になります。
この数字から分かるのは、「貯蓄で全部いけるでしょ」と言える人が、全員ではないということです。貯蓄で回せる人は医療保険が不要になり得る一方で、立て替えと対象外費用まで含めて判断しないと危険です。
医療保険が必要な理由(必要になるのはどこか)
ここからは「医療保険が必要になるのは、結局どこなのか」を分かりやすく整理します。
先にポイントだけ言うと、医療保険の出番は ①公的制度ではカバーされない出費、②働けない期間の収入減、そして ③手元資金(貯蓄) の3つで決まります。
序盤でもお話したように、日本の公的医療保険は、医療費の自己負担が原則1〜3割に整理されていて、さらに高額になったときは「高額療養費制度」で、毎月の自己負担に上限がかかります。
たとえば、70歳未満で一般的な所得区分(年収目安で約370万〜770万円)だと、自己負担の上限は約80,000円前後という計算になります。
この仕組みがあるので、保険診療の「治療費そのもの」は、家計が壊れにくい設計になっています。
ただし、ここに“抜け”があります。
高額療養費の対象にならない支出が、入院では普通に出てきます。
たとえば、入院中の食事代や差額ベッド代(個室代など)、それから保険外併用療養費の差額部分などは、高額療養費の対象外と説明されています。
つまり、「治療費は上限で止まっても、周辺の出費は別で残る」んです。
数字でイメージすると一気に分かりやすくなります。
例えば、入院時の食事代は、一般の区分だと 1食510円 という自己負担が示されています。
1日3食なら 1,530円、30日なら 45,900円。
治療費が高額療養費で抑えられても、食事代はしっかり積み上がります。高額療養費で「保険診療の自己負担」が下がっても、先進医療の自己負担は残ります。
ここが、公的制度だけでは埋まらない“穴”です。
次に、もう一つの大きな論点が「収入が減る」リスクです。
長期入院は、特別レアな話ではありません。厚労省の患者調査では、病院の退院患者の平均在院日数が 29.3日 と示されています。
つまり「1か月くらい働けない」は、普通に想定しておいたほうが説明がブレません。
ここで、会社員と自営業・個人事業主で差が出ます。
会社員の場合、公的制度として「傷病手当金」があります。支給期間は支給開始日から通算 1年6か月。
支給額は概ね 標準報酬日額の3分の2 が目安です。
※「標準報酬日額」=社会保険料を決めるための“ざっくり月収”を日割りしたもの、という理解で大丈夫です。
一方で、自営業・個人事業主はもっと厳しい前提になります。
国民健康保険には、社会保険のような傷病手当金が基本的にない、と自治体の案内で明確に説明されています。
つまり同じ「30日入院」でも、会社員より「収入ゼロに近づきやすい」。
医療保険を考えるとき、ここは職業差がいちばん出るところです。
自分は入るべき?判断基準と、入るなら選び方
ではここからは、「自分は医療保険に入るべきか」を考えましょう。
まず、判断基準はこの4つの質問で十分です。
① 入院や手術をしても、公的制度の範囲で支払いは収まりそうか。
② 食事代や差額ベッド代など、制度の対象外になる費用を出せそうか。
③ 休んだときに収入を支える仕組みがある立場か(会社員か、自営業か)。
④ 家族や住宅ローンなど、毎月必ず出ていく固定の責任があるか。
この4つのうち「不安」が多いほど、医療保険の必要性は上がります。
逆に、ここに自信がある人は、医療保険が“あれば安心”でも、“必須”ではない側に寄ります。
ここからは、判断しやすいようにケースで考えます。
たとえばAさん、独身の会社員で貯蓄200万円、福利厚生も標準レベル。
治療費は高額療養費で上限が効きやすい。
収入も傷病手当金があるのでゼロにはなりにくい。
食事代は30日で約4.6万円程度は見ておく。
このタイプは、医療保険が「絶対に必要」になりにくい側です。入るなら薄く、が合いやすいです。
次にBさん、子どもがいて家計を支えている会社員、貯蓄は少なめ。
治療費が上限で止まっても、食費や差額ベッド代は対象外で出ていく。
しかも傷病手当金があっても満額ではないので、生活費の不足が出やすい。
このタイプは医療保険の必要性が上がります。ポイントは「治療費」より「生活費の穴」を埋める設計です。
次にCさん、自営業・個人事業主で、働けないと収入が止まりやすい。
国保には原則として傷病手当金がない、という案内があります。
このタイプは、医療保険の必要性が高くなりやすい代表例です。
医療費そのものより、「収入が止まるダメージ」をどう受け止めるかが主戦場になります。
逆に、必要性が低くなりやすいのは、
・貯蓄が十分で、対象外費用や立て替えも吸収できる
・福利厚生が手厚く、休業中の補償が厚い
・家計に余裕があり、急な出費でも崩れない
こうした条件がそろっている人です。
この場合は「入らない」か「最低限にする」が合理的です。
最後にもう一度、言い切ります。
医療保険に入るかどうかは、**「対象外費用+収入減-手元資金」**で決めれば迷いません。
必要な人は不足分を埋めるために入り、不要な人は固定費を増やさないために薄くするか入らない。
このルールで見れば、医療保険で迷子にならずに済みます。
では、入るならどう選ぶか。コツは1つだけです。
足りないところだけを埋める。これが基本です。
足りているのに買うと、過剰保障になって固定費が増えます。
まず入院保障。
入院給付金は「1日いくら」という形が多いですが、短期入院が対象か、日帰りも対象かなど、条件は商品で違います。
次に支払限度日数。長期入院をどこまで想定するかで設計が変わります。平均在院日数が約28日というデータもあるので、まずは“1か月前後”を基準に考えるとブレにくいです。
次に手術保障。
手術給付金は「所定の手術」に限られることがあります。ここは約款で確認が必須です。
保険は「約款に当てはまったら支払われる」商品なので、雰囲気で選ぶと後でズレます。
この点は、金融庁の監督指針で「契約概要」「注意喚起情報」を適切に提供する体制が求められていることからも、重要事項の確認が前提になっていると分かります。
保険期間と払込期間も大事です。
定期型は一定期間の保障で保険料は抑えやすい。終身型は一生保障が続く反面、保険料の負担が長くなることがあります。
決め方のコツは「いつまで不足が怖いか」。子育て期間だけなら定期、老後も含めて不安なら終身、という考え方です。
特約は盛りすぎ注意。
付ける前に「それは公的制度の対象外か?」を確認します。
高額療養費に食費や差額ベッド代が含まれない点は、ここで効いてきます。
最後に、加入しない/加入する、それぞれのリスクも整理します。
加入しないリスクは、「対象外費用」と「収入減」を貯蓄で吸収できないと家計が詰むこと。
加入するリスクは、過剰保障で固定費が増え、長期的に家計を圧迫すること。
対処はシンプルで、不足額を見積もって、必要最小限にするだけです。
そして判断手順を、短く手順書にするとこうです。
ステップ1:会社員か自営業かを確認(収入補償があるかが大きく違う)。
ステップ2:高額療養費の上限を把握(上限がある、が分かればまずOK)。
ステップ3:対象外費用を積む(食事代は1食510円が目安)。
ステップ4:収入減を見積もる(会社員は傷病手当金、国保は原則なし)。
ステップ5:不足分を貯蓄で吸収できるか確認(できるなら不要寄り、できないなら保険で穴埋め)。
最後にもう一度言わせてください。
医療保険に入るかどうかは、「対象外費用+収入減-手元資金」で決めれば迷いません。
必要な人は不足分を埋めるために入り、不要な人は固定費を増やさないために薄くするか入らない。
このルールで見れば、医療保険で迷子にならずに済みます。

年代別・ライフステージ別の考え方+まとめ
年代別・ライフステージ別の考え方は、「正解探し」ではありません。
その時点で起きやすい“不足”――つまり、お金の不足・収入の不足・守るものの増加を、どう埋めるかを整理するパートです。
先に結論だけまとめると、こうです。
20代は「貯蓄と健康状態」、30代は「家族と固定費」、40代は「加入しづらくなる前の備え」、50代以上は「保険料と保障を絞って続ける設計」。
この4つの軸で考えると迷いが減ります。
背景として押さえておきたいのは、年齢が上がるほど医療の費用負担が増えやすいことです。
厚労省の資料では、年齢とともに医療費が増えやすく、特に高齢期は入院などの比重が高まる傾向が示されています。
国民医療費の統計でも、65歳以上の1人当たり医療費が、65歳未満より高い水準になっています。
つまり、同じ家計でも年齢が上がるほど「不足が起きる確率」は上がりやすい、という前提があります。
ただし、ここで怖がりすぎる必要はありません。日本は公的医療保険が土台で、高額療養費制度のように自己負担に上限がかかる仕組みがあります。
一方で、高額療養費の対象にならない支出もあります。
差額ベッド代などの“対象外の費用”があるため、年代や家族状況によって「穴の開き方」が変わります。
そして、入院が長引く可能性も現実として見ておきたいところです。
患者調査では、退院患者の平均在院日数として 28.4日 が示されています。
「数日で終わることもあるけど、1か月前後になることも普通にある」くらいの感覚で組み立てると、判断がブレにくくなります。
また、収入面の制度も重要です。会社員は傷病手当金が使える可能性があり、支給期間は通算 1年6か月 とされています。
逆に、自営業の方などはこの部分が薄くなりやすく、同じ入院でも家計への影響が大きくなりがちです。
ではここから、年代別に「ざっくり判断軸」を当てはめていきます。
20代:ポイントは「貯蓄」と「身軽さ」
20代は、医療保険の必要性にかなり個人差が出ます。
判断軸は難しくなくて、「今すぐ出せる貯蓄があるか」と「休んだときに生活が回るか」です。
たとえば、独身で固定費が軽く、貯蓄もあるなら、医療保険は薄めでも成立しやすいです。
逆に、貯蓄がほとんどなく、家賃や生活費で毎月ギリギリなら、短期の入院でも家計が詰まりやすい。
この場合は、医療保険で“穴を小さくする”意味が出てきます。
要するに、20代は「若いから不要」ではなく、不足が出るかどうかで決めるのが正解です。
30代:ポイントは「家族」と「固定費」
30代は、結婚・出産・住宅ローンなどで「守る範囲」が広がりやすい年代です。
ここからは、医療費そのものよりも「家計が止まること」が問題になります。
会社員であれば傷病手当金があるとしても、給与が満額出続けるわけではありません。
その差額を貯蓄で吸収できるか、それとも医療保険で埋めたいか。
ここが30代の判断の中心になります。
結論としては、家計の余白が少ないほど、医療保険の必要性は上がる。これに尽きます。
40代:ポイントは「必要性」+「加入しやすさ」
40代は、将来の医療費が増えやすい流れが見えてきます。
そしてもう一つ、現実的に効いてくるのが「加入しやすさ」です。
健康状態や持病の有無で、保険料や条件、選択肢に差が出やすくなります。
なので40代は、家計に無理のない範囲で「不足を埋める最小限」を確保しておくと、後で選べる幅が狭まりにくい。
この考え方がいちばん実務的です。
50代以上:ポイントは「続く設計」
50代以上は、必要性が高まりやすい一方で、保険料負担も重くなりやすい年代です。
ここでやりがちなのが、“不安だから全部盛り”です。
これをやると、安心を買うつもりが、固定費を増やして別の不安を作りやすい。
だからこの年代は、
・入院日額を上げすぎない
・特約を付けすぎない
・支払限度日数や保障の目的を絞る
こうした「続く形」に落とすのがコツです。
結論は、50代以上は必要性が高まりやすいが、家計を壊さない設計が最優先です。
次に、ライフステージ別のポイントを整理します。
女性(妊娠前):タイミングは“前倒し”がラク
妊娠・出産は体の状態が大きく変わるため、保険を見直す話題としてよく出ます。
公的制度として、出産育児一時金は子ども1人につき原則50万円が支給されます。
一方で、出産費用(正常分娩)の扱いは制度変更の議論もあり、2026年度を目途に保険適用の導入を含めて検討する資料も出ています。
ここから言えるのは、出産まわりは制度変更の影響を受けやすい領域だということ。
だからこそ、妊娠後に慌てるより、妊娠前に一度整理しておく方が判断がラクになります。
子ども:子どもの医療費より「親が倒れたとき」が本命
子どもの医療費は自治体助成があることも多く、家庭によって不足の出方が違います(これは住んでいる自治体で確認が必要です)。
ただ、子どもがいる家庭で本当に重いのは「親が倒れて家計が止まる」ほうです。
なので、子ども本人の医療費よりも、世帯を支える人の収入減への備えを優先する、という考え方が合理的なケースが多いです。
家族が増えたとき:見直しのベストタイミング
家族が増えると、固定費が増えて貯蓄が貯まりにくくなります。
その結果、治療費が上限で抑えられても、対象外費用や休業の穴を吸収しづらくなる。
だから「家族が増えたタイミング」は、医療保険の見直しに向いたタイミングの一つです。
最後に、よくある疑問についてです。
Q:医療保険の加入率はどれくらい?
生命保険文化センターの2025年度速報では、疾病入院給付金の支払われる生命保険の加入率が 65.6% とされています。
「みんな入ってるから正しい」ではなく、「備えたい人も多い」という状況理解に使うのが自然です。
Q:貯金がいくらあれば医療保険はいらない?
国が「この金額なら不要」と決めている基準はありません。
やるべきことは、
①高額療養費で治療費の上限を把握して、
②対象外費用(差額ベッド代・食事代など)を足し、
③休業による収入減を足して、
④手元資金で吸収できるかを見る、これだけです。
参考として、J-FLECの単身世帯調査では金融資産保有額の中央値が 130万円 と示されています。
この水準だと「1か月前後の休業+対象外費用」が重なると苦しい人が出てくる、というイメージは持っておくと判断が現実的になります。
Q:公的保険への加入は義務?
日本は国民皆保険で、基本的に何らかの公的医療保険に加入する前提です。
金融庁のリーフレットでも、公的保険は原則強制加入、民間保険は任意加入と整理されています。
だから民間の医療保険は「公的制度で足りない穴を、自分に合わせて埋める道具」と捉えると、話がスッキリします。
ここを最後にもう一度、短く締めます。
年代別・ライフステージ別の考え方は、雰囲気ではなく「不足が出るか」で整理するための手順です。
20代は貯蓄と身軽さ、30代は家族と固定費、40代は選べるうちに最小限、50代以上は続く設計。
この順番で見ていけば、「不要論→必要性→判断→選び方」の流れが途切れず、迷いがかなり減ります。
まとめ
今回は、医療保険がいらないと言われる理由を整理したうえで、公的制度で足りない部分と貯蓄状況から、医療保険が必要か不要かを判断する方法をお話ししました。
医療保険は「みんなが入ってるから」ではなく、「自分にとって不足する部分があるか」で決めるのがポイントです。


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